これって楽しいことらしい


トライアスロンって楽しいよ、とトライアスリートに言われ真に受けた私。ホントカイ。真実を探る旅、開始!
by trineko710
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sad face sad day

これが何だか知っている人はいるだろうか。

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Smack-a-Mac!という。

直訳するとマック叩きだが、まあ、身代わりマックみたいなものだ。買ったのは20年くらい前だ。

なぜマックに身代わりがいったのか。それには理由がある。

私が初めてコンピューターというものを触ったのは、ハワイで大学を卒業して、コンピューターグラフィックの成人クラスのアシスタントを何回かしたときだ。コンピューターグラフィックと言っても、当時は稚拙で、操作も簡単だった。大それたことは何もできなかったが、だからこそ、コンピューターって面白いんだな、という印象を持ち、そして、ほどなくして帰国した。

日本に帰って来てから就職した。会社ですら当時はパソコンなどというものは存在せず、まだ電動タイプライターの時代だった。

もう時効だろうから言うが、会社勤めの合間に時々翻訳のアルバイトをした。そうすると、和文の訳文を体裁を整えて提出しなければいけない。あのころはワープロの全盛期だった。でも、なぜかワープロは欲しくなかった。どうせなら、英文も和文も両方ともきれいに入力できるものが欲しかった。

どこだかは忘れたが、秋葉原の店に行った。そして、それだったらマッキントッシュしかありません、と言われた。英文に強いものはあります。和文に強いものもあります。でも、両方できるソフトウェアがあるのは、マッキントッシュだけです、というのだ。

そうなのか、と思い、現物を見た。それが、写真のように長方形の箱の様なものとキーボードの組み合わせの、20年以上前の昔のマッキントッシュだった。確かMacintosh SEという名前だったと思う。

気にいった。楽しいコンピューター、という私のイメージにまさにぴったりだった。

家に持って帰り、電源を入れた。ポーンという音とともに、にっこり笑ったマックの絵が現れた。スマイルフェイスだ。写真のマック人形の顔だ。

うきうきした。

繰り返すが、20年以上前のことだ。メモリーなんて、いくつあったんだろう。その時は、起動用のものと、アプリケーションのフロッピーの二枚を、いちいちスロットに入れなければいけなかったと思う。人形の右下にある二つのスロットの絵は、まさにそれを表している。

インターネットなどもちろんない。ようやく電子メールを使いだすまであと5年以上あるときだ。ほんのときたま翻訳に使うだけ。それでも、部屋にあるのが嬉しかった。

さて、そんなに、かわいいマッキントッシュだったけど、良く壊れた。

考えてみて欲しい。ネットに接続していないのだ。なのに、突然動きが遅くなり、そして、てこでも動かなくなる。そうすると、「システムエラーです」の言葉とともに、爆弾の絵が表れる。またか、と思う。

仕方ないから再起動すると、ポーン音とともに出てくるはずのスマイルフェイスの顔が代わっている。目を閉じ、口をへの字に曲げて、悲しそうな顔をしている。サッドフェイスだ。泣きたいのは、こっちだよ、と思う。

サポートセンターなどというものは無かったので、買った店に電話をする。当時は数多くのマック専門店があった。電話をすると、「サッドフェイスですか」「あ、スマイルフェイスに代わりました」などという会話が大の大人の間で交わされる。

役立たずめ、と良く思った。

窓から投げ捨ててやりたい、と思うこともあった。でも、好きだった。

そんな時、マック専門店で写真の人形を見つけた。

なんだろう、と思って良く見ると使用説明書がついていた。

確かこんなことが書いてあったと思う。

「マックをお使いのみなさん。きっと、ときどき、かわいさ余って憎さ100倍、マックを金槌でたたき割ってやりたい、とか、窓から放り投げてやりたい、と思うことでしょう。でも、ちょっと待ってください。マックは高いです(そう、当時はべらぼうに高かった)。だから、次にマックに対する愛が憎しみ変わったとき、どうぞ、どうぞ、この身代わりマックを使ってください。たとえば、こんな使い方があります。

針をさす。踏みつける。壁に投げつける。水をかける。火あぶりにする。窓から投げる。そして、どうしても、どうしても、動かなくなったマックに対する怒りがおさまらなかったら、ハサミで切り刻んで、その後で、新しい身代わりマックを買ってください。だって、身代わりマックならお金かかりませんから。」

最初に買ったマッキントッシュから何台買い換えただろうか。貢いだようなものだ。時が経つにつれ当初の形は名残がなくなり、メモリーは増え、処理能力は少しづつ速くなった。でも、なんだかマックらしくなくなってきた。それでも離れがたかったが、いよいよ電子メールの時代が来たときに、添付ファイルがことごとく文字化けするので、遂にウィンドウズに乗り換えた。

もう、自分はマックユーザーではないのだ、と思った。身代わりマックだけは取っておいた。

ウィンドウズのマシンは便利だった。サッドフェイスはでてこなかった。でも、スマイルフェイスもなかった。そして、あの当時は、時々「不正な何かをしたので、ウィンドウズをシャットダウンします」と怒られ、私、何かしたっけ??と思った。ちょっと爆弾が懐かしくなった。

それから15年経った。15年は長い。パソコンの性能は格段に上がった。ウィンドウズも、なにか問題が起きたら、問題が起きました申し訳ありませんと謝るようになり、15年振りに買ったマックブックエアーは軽く、薄く、速く、安くなり、サッドフェイスもスマイルフェイスも爆弾も無くなり、でも、やっぱり買うとうきうきし、そして、昨日、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。

直接の知り合いでもないのに悲しくてたまらない。

実は私が初めてのマッキントッシュを買ったときは、すでにスティーブ・ジョブズ氏はアップルを追放されていたのだと知ったのはずいぶん後になってからだった。それでも、最初のうちはジョブズ氏の作ったマックの香りがした。

あの、あんまり役にたたなかったけれど、可愛かった、泣いたり笑ったりする箱を作ってくれてありがとう。

心からご冥福をお祈りします。

by trineko710 | 2011-10-07 00:38 | 日常
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